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再生エネルギー賦課金(再エネ賦課金)はどのように推移している?

再エネ賦課金は2030年ごろまで上がり続けることが予想されています。そのため企業にとって再生可能エネルギー発電への取り組みは必要不可欠なことだと言えるでしょう。このページでは再生可能エネルギー賦課金の今後の推移などを解説します。

再生エネルギー賦課金とは

そもそも再生可能エネルギー賦課金とは何か知っていますか?

2012年7月に始まった固定価格買取制度であるFIT法と密接にかかわっている制度です。固定価格買取制度は電力会社が定めた料金で、再生可能エネルギーによって発電した電気を一定期間買い取ることを定めた制度になります。電力会社が電気を買い取る際、その買い取り費用が発生するでしょう。この費用を国民が出し合うという考え方が再生エネルギー賦課金なのです。

資源エネルギー庁は、再生エネルギー賦課金は再生可能エネルギーの導入を支援し、普及を推進する役割があると考えています。つまり再生可能エネルギーを普及するためには再生エネルギー賦課金が必要不可欠なのです。

FIT(固定価格買取制度)との関係性

太陽光発電を自宅などに搭載することで、電力会社が残った電気を買い取ってくれる制度があります。この制度を活用し、売電している人や企業も少なくないでしょう。国が一定期間電力会社に買い取ることを定めたものがFITと呼ばれる制度で、固定価格買取制度と呼ばれています。とくに太陽光発電はFITによって、売電価格が高く設定されており、そのおかげで一般の住宅にも太陽光発電システムが普及した背景があるでしょう。

しかし高い売電価格の全てを電力会社が負担するわけではありません。国民が再生エネルギー賦課金として負担をしているのです。毎月の電気代の明細書に「再エネ発電賦課金等」と記載されているのが、この賦課金になります。そのため国民全体で支えている制度ともいえるでしょう。

再生エネルギー賦課金の推移

私たちの社会生活を支えるためにはインフラの安定は非常に重要であり、インフラを安定させるためにはエネルギーの確保が必要不可欠です。日本の場合はエネルギーの多くを海外からの輸入に依存しており、エネルギー自給率を高めることが課題となっています。そこで考えられたのが、再生可能エネルギーの活用です。

再生エネルギー賦課金は「太陽光発電促進賦課金」という名称で始まった制度で、太陽光発電チャージとも言われていました。2012年FITが改正されたことで、現在の再生可能エネルギー賦課金という名称に変更された経緯があります。2012年以前は太陽光発電以外の再生可能エネルギーはほとんど普及されていないため、太陽光発電に特化した名称でも問題はなかったのでしょう。しかし2012年以降より風力発電・バイオマス発電など様々な再生可能エネルギーが普及されるようになったことで、名称変更の運びとなったのです。

再生エネルギー賦課金の推移を見てみると、2012年の制度開始時期は賦課金が少なく、徐々に上がってきているのがわかるでしょう。これは太陽光発電システム自体が一般住宅への普及が少なかったためです。2012年~2015年に特別優遇期間が定められたことで、産業用太陽光発電が急激に増加しています。その結果、2016年以降の再生エネルギー賦課金も値上がりせざる得ない状況となりました。

2012年 0.22円/kWh
2013年 0.35円/kWh
2014年 0.75円/kWh
2015年 1.58円/kWh
2016年 2.25円/kWh
2017年 2.64円/kWh
2018年 2.90円/kWh
2019年 2.95円/kWh
2020年 2.98円/kWh
2021年 3.36円/kWh
2022年 3.45円/kWh

※参照元:新電力ネット(https://pps-net.org/statistics/renewable)

再生エネルギー賦課金は今後いつまで続く?

何度も言うように再生エネルギー賦課金はFITと深くかかわっているので、FITが終わるまでは継続されることが予想されます。環境省が2013年に出した今後の再生エネルギー賦課金の推移予想によると、2030年をピークとし、再生エネルギー賦課金は値下がりに転じるとされているようです。その後、2048年ごろに0円となる試算が報告されています。

ただ、この報告ではFITが2030年まで継続していることを前提としており、さらに2030年の時点で賦課金の単価が2.95円と予想されていましたが、現実をみると2019年に2.95円に達しています。つまり実情とは少しかけ離れた予想と言えるでしょう。そう考えれば、環境省の報告よりも長く再生エネルギー賦課金の負担はあるかもしれません。

再生エネルギー賦課金が値下がりする?

再生エネルギー賦課金が値下がりする要因として、FITの期間が終わることが挙げられます。FITの制度によって、10kW未満の家庭用太陽光発電なら10年、10kW以上の産業用太陽光発電なら20年という固定価格での買取期間が定められています。その点を考えれば、2009年に太陽光発電システムを設置した人は2019年にはFITの期間が満了になるのです。今後満了を迎える人も増えていき、次第に再生エネルギー賦課金は減り、いずれは0円になるでしょう。

ただ電力中央研究所の報告によると、環境省の推定より高騰が続くと予想しており、2032年度には4.72円になる可能性を示唆しています。

今考えられる再生エネルギー賦課金への対策

将来的には再生エネルギー賦課金は無くなるかもしれません。しかし、0円になるのは、何十年も先の話です。今の時点では値上がりし続けると予想されているため、どんなに節電を行ったとしても経済的負担は増えてしまうでしょう。

経済的負担を減らすためには、節電をすることが大切です。しかし節電を行うにしても限度があるため、極端に経済的負担が減るわけではありません。そのため太陽光発電システムや蓄電池の導入を行うことで、創エネできる環境が整い、電気代節約につながるでしょう。

少しでも節電を考えているのであれば、電力会社から購入する電力を減らすしかありません。まずは太陽光発電システムや蓄電池をチェックし、どのような効果があるのか確認してみてください。規模も様々あるので、予算や屋根の大きさなどで状況に合ったシステムを導入するのも良いでしょう。