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太陽光発電のシミュレーションとその注意点

太陽光発電を行う際には、どれくらいの電力が確保できるのか、どれくらい電気代が節約できるのかといったシミュレーションを行うと便利です。ここでは、太陽光発電シミュレーションを行う際の注意点について見ていきましょう。

太陽光発電のシミュレーション方法は?

メーカーが提供しているオンラインシミュレーションを利用する

太陽光発電のシミュレーション方法として一般的なのは、各メーカーが提供しているオンラインシミュレーションを利用するという方法です。

パナソニック、東芝、SHARPなどといった大手メーカーは、おおむね自社の公式サイトでオンラインシミュレーションを運営しているので、無料で使うことができます。これらのシミュレーションでは、設置する地域、システム容量、屋根の形状などの情報を入力することでどのくらいの電気代が節約できるかを計算することができます。

商用のソフトを利用する

オンラインシミュレーション以外の方法としては、ソフトメーカーが開発した有料ソフトを用いるというものもあります。代表的なものとしては、ラプラシステムのSolar ProやエコテラスのEco Planner Proなどが挙げられるでしょう。

商用ソフトを用いるメリットとしては、メーカーごとの比較がしやすいという点があります。また、簡易的なオンラインシミュレーションではできない影の損失、特殊形状を考慮に入れた計算ができるので、より実測値に近い計算結果を得られるのも大きなメリットといえるでしょう。

シミュレーションする内容

収支のシミュレーション

太陽光発電のシミュレーション内容は、大きく分けて収支のシミュレーションと発電量のシミュレーションに分かれます。

せっかく大きな費用を支払って太陽光発電システムを導入しても、どの時点で初期費用が回収できるか、売電収入はどのくらいなのかを計算しておかなければいつまで経っても赤字ということにもなりかねません。そのため、太陽光発電システムを導入する際には、かならず収支のシミュレーションをしておきましょう。

残念なことに、太陽光発電の売電価格は年々低下しているので、10数年前のように簡単な副業として売電収入を得られるような状況ではありません。太陽光発電システムは、導入にかかる初期費用だけでなく定期的なメンテナンス費用なども必要なので、それらを支払ってなお利益を上げられるかどうかは慎重に計算する必要があるでしょう。

発電量のシミュレーション

もうひとつのシミュレーションである発電量のシミュレーションは、年間でどれくらいの電力を発電できるかを計算するものです。多くの太陽光パネルメーカーの公式サイトに行けば簡易発電シミュレーションをすることができます。こちらは業者が使用している専用のシミュレーションソフトというわけではなく、簡易的に計算するものになります。メーカーごとに必ずしも同一条件で計算できているわけではありませんので注意しましょう。

シミュレーションの注意点

太陽光発電システムの導入前に、その収支や年間発電量を求めることは非常に重要です。しかし、これらはあくまでシミュレーションであることを忘れてはいけません。

まず、これらのシミュレーションではメーカーごとの差異まで含めての計算ができない場合があります。同じ発電量の太陽光パネルであってもメーカーごとの差異があるので、シミュレーション結果を鵜呑みにしないことが大切です。

また、シミュレーションはあくまで入力された条件から数値を計算するものです。そのため、設備の設置後のロスが考慮されていません。したがって、設置から永続的にシミュレーション結果通りの収支や発電量が得られるわけではないことを理解しておく必要があります。

また、これらのシミュレーション結果には含まれない要素として、周辺からのクレームが挙げられます。太陽光パネルを設置したことによって周辺の住宅に反射光が当たり、眩しさや暑さによるクレームが発生する可能性があるのです。こうしたトラブルを防ぐためには、収支や年間発電量以外にも、反射光のシミュレーションを行う必要があります。

シミュレーションするメーカーによって発電量が変わるのはなぜ?

前述の通り、大手メーカーでは公式サイトでオンラインシミュレーションを運営しています。しかし、同じ条件を入力しても、メーカーによって異なる結果が出る場合があります。これは、オンラインシミュレーションはあくまで簡易的なものであることや、比較する内容に差異があることなどが原因です。

年間発電量の全国平均はおおよそ1,100kWh

経済産業省が公表している「太陽光発電フィールドテスト事業に関するガイドライン基礎編(2013年度版)」によれば、年間発電量の全国平均は1,100kWhとなっています。

なお、自家消費の場合はこれに電気料金を、固定価格買取制度を活用する場合は買取価格をそれぞれかけることでおおよその収益を計算することができます。

※参照元:太陽光発電フィールドテスト事業に関するガイドライン基礎編(2013年度版) (https://greenpow.co.jp/img/page/pdf/guideline_meti.pdf)

信頼できるメーカー・設置業者に依頼しよう

前述の通り、太陽光発電システムを導入した際の収支や年間発電量、反射光などはさまざまな方法でシミュレーションを行うことができます。しかし、入力する条件や数値が間違ったままシミュレーションを行ってしまうとやはり間違った数値が出力されてしまいます。

そうしたトラブルを防ぐためには、シミュレーションの内容をわかりやすく説明してくれる会社に依頼するのがいいでしょう。シミュレーションについて詳細に説明してくれる会社であれば、そのまま見積もりや設置を依頼することもできるでしょう。収支や年間発電量のシミュレーションはたしかに重要な要素ですし、それらについてしっかり説明してくれる信頼のおける会社を見つけることが、太陽光発電システムの導入に成功するために重要であると言えるでしょう。