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太陽光発電の容量と発電量は違うの?

太陽光発電を設置する際、まず容量を決める必要があります。容量と発電量は間違われやすいですが、それぞれ意味が異なっているので注意してください。ここでは、太陽光発電の容量と発電量について詳しく解説していきます。

そもそも太陽光発電の容量とは

太陽光発電の容量は、太陽光発電システムが発電できる量を表した数値です。システム容量や出力容量と呼ばれることもあり、単位はkW(キロワット)で表されます。発電容量は太陽光パネルとパワーコンディショナの出力値で決まるものです。発電量が多い太陽光発電は容量が多いという認識になります。

容量と発電量は違うの?

容量と発電量は混同されやすいですが、異なるものです。容量が太陽光発電で発電できるパワーを数値で表したものであるのに対して、発電量は電気を生み出した値を指します。発電量は「kWh」、容量は「kW」で示されます。

容量と発電量の深い関係

容量と発電量は異なるものですが、深い関係があります。年間の発電量と売電収入は、容量によって左右されます。容量1kW当たりの発電量は、1日当たり約2.7kWh~3.2kWh。年間にすると約1,000kWh~1,200kWhとなります。発電量によって賄える電気の量が異なります。

太陽光パネルはパワーコンディショナの出力以上に設置すると良い

太陽光パネルとパワーコンディショナの容量はそろえる必要はありません。太陽光パネルの出力とパワーコンディショナの出力は、太陽光パネルの出力が大きい方が得だという考え方が一般的です。そのためには、パネルの枚数を増やすことをおすすめします。

パネルの枚数を増やすことを過積載と言います。太陽光パネルの出力が大きいと余った電気は捨てることになります。しかし、その分全体の発電力を増やすことが可能です。トータルで考えると、捨てた電力を超える電気を得ることができるため、お得に利用できることになります。

太陽光パネルを増やすと、初期費用は高くなるでしょう。しかし、発電量や売電収入で得られる金額を考えると、太陽光パネルを増やしたほうがよいケースもあります。

FIT制度だと売電単価は発電容量で変動する

FIT制度とは、再生可能なエネルギーを固定価格で買い取ってくれる制度です。FIT制度を利用して発電した電力を売る場合、売電単価は発電容量によって変動します。2020年度のFIT価格によると、発電容量が10kW未満であれば、売電単価は10年間一律21円。発電容量が10kW以上50kW未満の場合は産業用に該当し、売電価格は20年間一律13円となります。

住宅用か産業用かは容量によって決まるため、一般家庭に設置してあったとしても容量が大きければ産業用に区分されます。10kW未満か以上かで売電単価が変わるため、太陽光発電を設置する際は容量を考慮する必要があります。

家庭用の太陽光発電システムの容量の目安

家庭用と産業用は容量で区分されることをお伝えしましたが、ほとんどの家庭では10kW未満の容量が該当します。屋根が大きく予算もクリアできるのであれば、さらに大きな容量にすると発電量を増やすことができるでしょう。

太陽光発電は50kW未満であれば、余剰買取制度が適用されます。自家発電で余った電力を売電することで、売電収入を得て初期投資にかかった費用を回収していきます。

家庭用の目安容量は3~5kW

家庭用太陽光発電システムの容量の目安は、3~5kWです。屋根が大きければもっと大きな太陽光発電を設置することもできます。容量が大きいほど年間の発電量は増加します。

初期投資費用はどれくらいで元が取れる?

太陽光発電の初期投資費用は、約10年かけて元を取ることができます。10kW未満の太陽光発電は、10年間の売電単価が保障されています。この保証期間内の投資費用回収を目標に、太陽光発電システムを導入する方がほとんどです。

4kwを基準に考えた場合の初期投資費用も回収期間

一般的な家庭の発電容量である4kWを基準に考えた場合、初期投資費用は9.7年で回収できます。余剰買取制度を利用し、自家消費して余った電気を売電。約10年かけて初期投資費用を回収していきます。

4kWよりも小さい容量の場合、初期費用の回収にはさらに時間がかかるでしょう。FIT制度では10年以降の売電単価は保証されていないため、元を取りたいのであれば10年以内に回収できる容量を設置することをおすすめします。

反対に、4kWよりも容量が大きい場合、費用回収スピードは速くなります。初期投資費用は高くなってしまいますが、費用対効果を考えると容量の大きい方がおすすめです。

発電容量を決めるポイント

発電容量を決めるには、押さえておきたいポイントが2つあります。それは「屋根の大きさ」と「初期費用」です。屋根の大きさと初期費用を考慮して、適切な設備を導入する必要があります。ここからはその2つのポイントについて詳しく解説していきます。

屋根の大きさ

屋根の大きさや形状に合わせて、発電設備が決まります。どんなに容量の大きな設備を導入したくても、屋根の面積が小さくパネルを設置する場所がなければ、容量を増やすことはできません。まずは屋根の大きさや形を確認し、発電容量を把握しておきましょう。

太陽光発電システムの初期費用

太陽光発電システムの導入には初期費用が発生します。容量が大きいほど高額になるため、予算と相談しながら決める必要があるでしょう。ただし、発電容量が大きければ、初期投資費用の回収スピードも早くなります。費用対効果を優先するのであれば大容量、初期費用を抑えたいのであれば予算に応じた容量の設備を導入することになります。

売電によって初期投資費用が回収できるとは言え、太陽光発電システムは高額です。予算を考慮しながら、発電容量を決めていきましょう。

容量の判断が難しいときは業者に相談しよう

最適な容量を判断することは簡単ではありません。発電容量を大きくしたいと思っても、屋根の大きさや形状によっては設置できないケースもあるでしょう。どのような容量のものを導入すればよいか、判断に迷ったときは太陽光発電の設置業者に相談することをおすすめします。屋根の形状やライフスタイル、予算に応じて適切な設備を提案してくれるでしょう。

太陽光発電の導入を迷っている場合でも、容量を把握しておけば導入はスムーズです。悩んでいるときはプロに相談し、適切なアドバイスを受けることをおすすめします。