蓄電池や太陽光発電システムを導入する際には、見積書をもらうことになります。そのとき、かならず見積書の内容をチェックしておきましょう。ここでは、見積書をチェックする際に特に注目すべきポイントについて解説していきます。
見積書をもらったら、まずチェックするべき項目が総額です。総額は、名前の通り蓄電池や太陽光発電システムを導入するのにかかる費用の合計です。なお、補助金については地方自治体ごとに金額が異なるので、補助金差し引き前の金額を確認しましょう。
この総額が明確に提示されているかどうかで、悪質な業者でないかどうかの判断基準にもなります。悪質な業者の場合は明確な総額を提示せず、お得感を演出するために月々のローン金額と割引金額のみを案内することがあるからです。総額は月々の支払金額✕支払い回数で計算できると思いがちですが、実際にはそれに加えて金利が発生するため、そうした単純計算で総額を求めることはできません。
また、見積書に仕切り価格が明記されていない場合も注意が必要です。仕切り価格とは販売店がメーカーから部材を購入する際の卸価格です。この項目が定価の半分程度まで下がっていない場合、相当額のマージンが上乗せされていると考えられます。
当然ですが、蓄電池や太陽光発電システムの性能や価格は一律ではなく、種類によって差があります。見積書にあるシステムの性能や価格を調べるためにはパネル型番のチェックが必須です。
蓄電池や太陽光発電システムの性能や価格を調べる際には、メーカー名で調べることが多いでしょう。しかし、同じメーカーの製品でも型番が異なれば性能や価格も異なるので、製品について調べる際にはメーカー名だけでなく、かならず型番も把握しておく必要があります。
また、ありがちなミスとして、パネルの型番とパワーコンディショナーなどのほかの部材の型番を勘違いしてしまうことが挙げられます。もちろん、パネル以外の部材も価格に影響しますが、大きく価格に影響するのはパネルの部分なので、パネルの型番は正確にチェックしておく必要があるでしょう。
部材の詳細にわたってチェックしたい場合は話が別ですが、見積もりが妥当なものであるかをチェックする程度であればパネルの型番のみを確認すればいいでしょう。
総額とパネル型番を確認したら、次はkW単価の項目をチェックしましょう。kW単価とは、「見積もり総額 ÷ 太陽光パネルのkW数=kW単価」で求められる数値です。
kW単価は、さらに低圧区分である10kW以上50kW未満のエリアと、高圧区分である50kW以上250kW未満のエリアに分けられます。太陽光発電の設備費用のkW単価の相場ですが、低圧区分か高圧区分かによっても異なってきますので、詳しくは経済産業省の資源エネルギー庁公式HPで調べてみるとよいでしょう。これらの数値はメーカーや設備によっても異なってきますので、あくまで目安として考えましょう。
見積書にある蓄電池や太陽光発電システムの費用が妥当なものであるかどうかは、総額及びこのkW単価で判断できます。
なお、kW単価は設置する太陽光パネルの容量が大きいほど安くなります。これは、容量の小さなパネルと容量の大きなパネルとでは工事の費用にはそれほど大きな差がなく、必要なパワーコンディショナーなどの数も変わらないためです。
パネル容量については大きい方がkW単価は安くなります。4kWの太陽光発電と9kWの太陽光発電では、容量が大きい方が発電する電気量が多いため、売電も多く見込めます。
容量が大きいパネルと小さなパネルでは、工事費が極端に大きく変わることはありません。発電できる電気量や売電を考えると、パネル容量が大きい方がkW単価が安いといえるでしょう。kW単価はパネルの発電量に左右されるので、価格を比較する際はkW単価で比較しましょう。